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切符収集記&登山行記

切符収集記&登山行記

九州へ

九州へ

旅行期間:平成14年12月
訪問標的:くまがわ鉄道・肥薩線ループ線、スイッチバック

【プロローグ】

以前から、九州へ行ってみたいと思っておりました。とくに長崎県と福岡県しか行ったことがなかったのでその他の県、そして硬券が設備されている私鉄がある ところを行き先に考えていくと、くまがわ鉄道か高千穂鉄道ということで候補があがり肥薩線に乗るのも面白そうだという理由で、くまがわ鉄道を行き先に設定しました。

というわけで、準備にかかったのですが年末に行くとなるとちょうど18きっぷシーズン。ならば、ムーンライト九州往復利用で安くあげようかと思ったのですが、往復夜行だとしんどそうなのと時間を有効に使いたいということで、一部区間に山陽新幹線を利用し人吉泊、帰りは博多からムーンライト九州というプランがかたまりました。人吉では温泉のある宿に泊まりたかったのですが、温泉付きビジネスホテル2軒が年末休業だったため、普通のビジネスホテルに予約を入れました。旅館に泊まるお金はないので・・・。ムーンライト九州の指定席は発売開始日に購入しましたが、方向が帰省客と逆のためか窓側禁煙席で取れました。

【1日目】

関西線で伊賀上野を5時47分発の列車で出発。加茂で乗り換え大阪へ出ます。今日は12月29日(日)、通勤客も少なく快適に大阪へ到着。時間があるので快速で姫路へ向かいます。そのまま快速に乗っていると相生からの新幹線に間に合わないので加古川で新快速に乗り換え姫路へ。姫路からは9時34分上郡ゆきに乗るのですが、後発の10時04分の三原ゆきに乗る人のほうが多いようで上郡ゆきの車内よりホームで並んでいる人のほうが多いくらいです。

相生からは、いったん18きっぷを中断して「こだま」で岡山へ、さらに岡山からはレールスターで小郡へ向かいます。「こだま」「ひかり」ともに帰省シーズンということで指定席はほとんど埋まっていました。満席状態で0系「こだま」の3列シートはつらかったです。
小郡で新幹線を降り、再び普通列車で歩を進めます。下関でさらに行橋ゆきに乗り換え、関門トンネルをくぐりいよいよ九州です。そのまま乗っていると日豊本線に行ってしまうので、小倉で快速・荒尾ゆきに乗り換え。ひたすら列車に乗り続けて人吉をめざします。JR九州の電車に乗る機会はめったにないので、車両に乗り込むだけでワクワクします。形式は忘れてしまいましたが、快速列車はJR転換後すぐくらいに導入されたはずの車で、けっこう好きな車なのでついに乗れて念願かなったりとなりました。

博多から熊本方面はけっこううまいこと乗り継ぎができるようダイヤが組まれていて、私も大牟田で八代ゆきの普通列車に乗り換えます。この車両、最近の新車だと思うのですが、ロングシート車で残念・・・。鳥栖以南は初乗車だったので、クロスシートで風景を楽しみたかったのですが・・・。
ところで、博多近辺では赤い矢印(というか三角)の入った駅名票だったのが、大牟田あたりから、国鉄時代の白地もしくはローマ字部分のみ灰色(というか黒色)の駅名票が目立ちます。なんとも懐かしい。私はこの駅名票のほうが好きです。

熊本も過ぎ八代へ17時17分着。ここから肥薩線に乗り換えるのですが、17時50分に急行「くまがわ9号」があり、これに乗ると人吉には19時前に着くことが判明。18きっぷで普通に乗っていくつもりでしたが、しんどかったのでここで切符を買い急行に乗ることにします。最近になって、収集用に購入したオレンジカードを使って電車代を浮かすことを始めたのですが、今回も急行券もカードで買えるので自販機で八代~人吉の乗車券と急行券を購入。改札脇の待合室でしばらく待った後、17時50分に急行列車に乗り込みますが、今日は帰省客が多いためか車内はほぼ満席、先頭近くにあいているシートを見つけ落ち着きます。車両は古い国鉄型ですが、シートは改造されており足置き付きで、シートピッチもかなり広くとってあります。気動車急行はひさかたぶりで、山陰線を走っていた「さんべ」以来なのですが、ほどなく就寝。坂本停車後は記憶がなく、気付くと人吉到着のアナウンスが流れていました。今日は人吉のチサンホテルに投宿。明日のくまがわ鉄道訪問に備えます。

【2日目】

昨日は移動ばかりでしたが、今日はくまがわ鉄道、そして肥薩線を楽しみます。宿を7時前に出発。駅前は歩道も整備されものすごくきれいです。電線も地中化されていたように記憶しています。
この時間の人吉駅は各方面へ列車が出るため、そこそこ乗客がうろうろしています。くまかわ鉄道のホームは駅本屋からいちばん離れたところにあり、跨線橋を渡り切符発売所へ。ここで、収集用に往復と片道の硬券を購入。ほとんど用は済んだようなものですが、せっかくここまで来たのだからと列車に乗って湯前を目指すことにします。私が乗る車両はまたロングシートでついてないことこのうえないのですが、駅員さんが乗客に「すいません」と声をかけながら、列車の曇ったガラスを雑巾でふいてられる姿が印象的でした。

7時26分、人吉出発。しばらく肥薩線と併走した後、左へ別れていきほどなく相良藩願成寺駅に到着。車内には学生が10人くらいいるだけで、乗客の平均年齢はものすごく若い!ローカル線というとお年寄りが多いはずなのに(←偏見)。列車はたんたんと田園風景の中を走り、途中の多良木では温泉施設が駅前に見えます。今回は時間がないので残念ながら立ち寄ることはできません。この辺で学生も降りてしまい、車中は2、3人に。8時14分、湯前着。列車から降りると駅員さんが「おはようございます」と声をかけてくれます。この一言で朝がとてもすがすがしく感じられます。私は今までこういった挨拶や、スーパーのレジでの「こんにちは」には一言も返事を返していなかったのですが、自分が窓口事務をするようになりお客様と接することが多くなるなかで、「ありがとう」とお客様に言っていただくと非常にうれしく思うので、自分が客の立場になるときもちゃんと挨拶をせねばと最近思うようになりました。閑話休題。
湯前駅の駅員さんはマニアの対応に慣れておられるようで、「硬券の・・・」とhがボソボソと言いかけると、「入場券はないです。乗車券はこの2種類。」と黄色地紋のものと赤色地紋の券を出してくれます。黄色地紋のものは大人160円券と小児80円券のみの様子で、赤色券が主流のようです。補充券は相良藩願成寺で購入するつもりなので、ここでは聞きませんでした。
ホームで撮影後、人吉へ引き返しますが、人吉のひとつ手前の相良藩願成寺駅途中下車。ここは湯前駅と同様、平日のみ駅員が配置されるのでこんな年末のときでもなければ、普段はなかなか訪問できません。硬券は赤色の券しか残ってませんでしたが、片道と往復の補充券を購入。ほかには人吉から熊本までの割引切符も売っているとのことでしたが、3千円以上するので購入は見送りました。青色の大型軟券だったので、今となったら買っておいたらよかったかなとちょっと後悔・・・。親切な駅員さんにお世話になった後、徒歩で人吉駅へ向かいます。

そして今回の旅行のもうひとつのハイライトである肥薩線乗車です。人吉10時17分発の吉松ゆきで山岳地帯へ挑みます。人吉近くでは人家が見えたりもしますが、だんだん家がなくなり地勢が険しくなってきます。途中の駅も本当にローカル然としていて、こんな風景はひさしぶりだなあと感じたりします。ひとつ失敗したのは、列車進行方向の右側の1人席に座ったのですが主要な見所はほとんど左窓に展開。帰りは2人がけ席に乗って風景を楽しんだのですが・・・。大畑駅を過ぎ、カーブを進みながら高度をかせぎ左下に大畑駅構内が見えるあたりでは、かなり山深く山の背中を走っているかの感覚を受けます。矢岳駅も落ち着いた感じの駅で、いい雰囲気です。途中、韓国岳が見えるあたりは三大車窓と呼ばれている場所で徐行のサービスがありました。スイッチバックあり、ループあり、昔ながらの駅風景あり、本当にすばらしい路線です。人吉~吉松を往復しましたがあきることなく楽しめました。

人吉には12時17分に戻ってきたのですが、次の八代ゆきで1時間程時間があるので駅から少し歩いたところにある中央温泉に入ります。鍵のかかるロッカーの少ない、本当に「銭湯」といった感じの風呂ですが湯はいいお湯でした。浴場には、浴槽のかたちの由来(球磨川の流れをかたどったとのこと)や効能の説明書きなどもあり面白かったです。最近多い、立派な温泉センターも快適で好きですが、個人的には、こういった生活感にあふれ地元に密着している温泉の方が好きです。

ここからは一路、博多を目指すべく13時16分発の八代ゆき普通列車で人吉をあとにします。山沿いの肥薩線はすばらしかったですが、川沿いの肥薩線もこれまた良く、川の流れをみつめながらゴトゴトと八代を目指します。途中、建設中の九州新幹線らしき橋梁が見え、ああ再来年開業かとの思いを強くします。八代からは湯浦温泉に寄りたいので、いったん出水ゆきで南下します。
湯浦では、湯浦駅から徒歩10分ほどの町営湯浦温泉センターに立ち寄ります。ここも銭湯タイプの昔ながらの浴場で、シャワーが2つとカランがいくつかあるだけの簡素な浴場です。湯舟でゆっくりと手足を伸ばしリフレッシュして湯浦を出発、博多を目指します。右手には海が広がり、しばし車窓を楽しみます。線路のかなり近くに海が迫っておりなかなか良い風景です。遠くに見えるのは天草なのでしょうか。
八代で乗り換え。先ほどの湯浦からの列車はセミクロスシートでしたが、八代からの熊本ゆきは新型だけどロングシートです。車内には原色が使われていたりして、なかなか新しい感じで良いのですが、クロスシートが残念です。
さらに熊本からは銀水ゆきに、そして荒尾からは門司港ゆきに揺られて博多を目指します。外はすでに暗く、駅到着時に構内風景を見るぐらいしかすることがなくなってきたので、家から持ってきた本を開き読書にふけります。
ひたすら乗り続けて、博多20時35分着。駅構内でうどんを食し夕食とした後、21時09分発のムーンライト九州に乗るのですが、この列車ぎりぎりまでホームに入ってこず入って来たと思ったらすぐにホームで発車アナウンスがながれ、かなりあわただしい発車です。今回も携帯枕を持ってきたので、けっこう眠ることができました。

【3日目】

神戸市あたりで目がさめ、下車準備を開始。大阪6時25分着。今日は旅行最終日ですが、今日付けで廃止となる有田鉄道に別れを告げるべく和歌山へ向かいます。天王寺から阪和線、紀勢線と乗り継いでいったのですが、和歌山あたりから車中は同好の士ばかりとなり、「これはレールバスには乗れへんのう・・・」。藤並には9時19分に到着。と、閉鎖されていたはずのホーム上の小屋が開いていて、軟券や硬券を売っているではありませんか!!さよなら記念切符もそこで購入でき、藤並駅での案件は終了です。レールバスは増便していたものの、11時頃の便まで待たないと乗れないということで、バスで金屋口駅へ向かいます。小型のバスも同好の士で満員で、一人だけ地元の方がいらっしゃり不憫でした。

金屋口駅では、駅窓口に切符を求める行列ができており私もそこに加わります。ネットで情報が流れていたように、廃止を目前にして各種いろいろな切符が新しく刷られたようで目移りしましたが、財布に見合った範囲に絞って購入。そうこうしているうちに藤並からの列車が入線してくるということで、駅横の堤防へ急ぎ今度は写真撮影の集団に加わります。この日は天気の良い日で非常に撮りやすかったです。
撮影も収集も終わったので、乗車できなかったのが心残りですが、またバスの人となり帰路へつきます。
今回の旅行は18きっぷをフルに使うことができ、非常に満足のいくものでした。九州はまだまだ行ったことがないところが多いので、次は宮崎県あたりに行ってみたいものです。



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